薬剤師は、弁理士試験の一部が免除されるのを知っていますか?
「弁理士」と聞くと、法律や特許の専門家というイメージが強く、薬剤師とは縁のない資格に思えるかもしれません。しかし実は、薬剤師資格を持っていると、弁理士試験の一部科目が免除されるという制度があります。医薬品メーカーの知財部門や特許事務所では、化学・薬学のバックグラウンドを持つ弁理士のニーズも高く、薬剤師にとって意外と相性のいいダブルライセンスです。
弁理士試験の仕組みと、薬剤師が免除される科目
弁理士試験は、短答式試験→論文式試験(必須科目・選択科目)→口述試験という3段階の構成になっています。この中の論文式試験(選択科目)について、弁理士法施行規則で定められた公的資格保有者は、手続きのみで科目が免除される仕組みがあります。
対象となる資格には、技術士・一級建築士・電気主任技術者・情報処理技術者・電気通信主任技術者・司法試験合格者・司法書士・行政書士、そして薬剤師が含まれています。薬剤師資格を持っている場合、選択科目のうち「理工Ⅲ(化学)」が免除され、論文式試験は必須科目のみの受験で済みます。
選択科目は法律科目に比べて理系的な専門知識が問われるため、多くの受験生にとって対策の負担が大きい部分です。ここが免除されるのは、薬剤師にとって大きなアドバンテージといえます。
薬剤師×弁理士で、具体的にどんな仕事に就けるのか
免除制度のメリットだけでなく、実際にこのダブルライセンスがどんなキャリアにつながるのかも見ておきましょう。
①製薬・化学メーカーの知的財産部門
新薬や新技術は、特許で守られて初めて企業の収益源になります。製薬会社や化学メーカーの知的財産部門では、自社の研究開発の成果を特許出願し、他社の特許を侵害していないかを調査する業務が発生します。薬学の専門知識があれば、研究者と対等にコミュニケーションを取りながら、技術内容を正確に理解した上で権利化を進められるのが強みです。
②特許事務所(医薬・化学分野専門)
特許事務所の中には、医薬・バイオ・化学分野の特許出願を専門に扱うところがあります。こうした事務所では、化学構造式や薬理作用を理解できる人材が重宝されます。薬剤師としての実務経験があれば、他の弁理士にはない専門性として評価されやすい分野です。
③研究開発チームと連携する知財戦略担当
製薬会社の研究開発チームに知財の視点から関わり、特許戦略そのものを一緒に考えるポジションもあります。「この技術は特許化できるか」「competitor(競合他社)の特許を回避できる開発方針か」といった判断に関わることで、単なる出願手続きにとどまらない、事業戦略に近い役割を担うことも可能です。
年収面でもキャリアアップが期待できる
弁理士の平均年収は700万円以上とされ、企業内弁理士として活躍する場合は1,000万円前後まで見込めるケースもあります。独立開業すれば、さらに収入の上限を広げることも可能です。薬剤師としての年収の伸び悩みを感じている人にとって、弁理士資格の取得は現実的な選択肢の一つといえます。
免除されるのはあくまで論文式試験の選択科目のみです。短答式試験(工業所有権に関する法令、条約など全7科目・マークシート方式)と、論文式試験の必須科目(特許・実用新案に関する法令、意匠に関する法令、商標に関する法令)については、他の受験生と同様にしっかりとした対策が必要です。
法律科目の学習は、薬剤師のバックグラウンドだけでは対応できないため、効率よく学べる予備校や通信講座を活用するのがおすすめです。
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LECオンライン(東京リーガルマインド)
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まとめ
薬剤師資格を持っていると、弁理士試験の論文式試験(選択科目)のうち「理工Ⅲ(化学)」が免除されます。とはいえ、短答式試験と論文必須科目の対策は避けて通れないため、自分に合った予備校を活用しながら効率よく学習を進めるのがおすすめです。



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