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災害時の消毒、何を使えばいい?薬剤師が教える地震・水害後の正しい消毒方法

防災

近年、地震や水害などの自然災害が全国各地で多発しています。

DMATをはじめ、災害時に薬剤師が力を発揮できる場面は数多くあります。中でも、避難所などでの消毒方法を正しく周知することは、公衆衛生を担う薬剤師にとって欠かせない役割のひとつです。

今回は、水害時の消毒方法について、厚生労働省の「薬剤師のための災害対策マニュアル(改訂版)」をもとに整理しました。

災害時(水害)の消毒方法一覧

水害が起こると、し尿槽や下水の氾濫、動物の死骸や腐敗物の漂着などにより、屋内外を問わず衛生環境が急速に悪化します。対象物ごとに適した消毒薬・調製方法・使用方法を、以下の表にまとめました。

消毒対象 消毒薬 調製方法 使用方法 注意事項
屋外
(し尿槽・下水のあふれ、死骸・腐敗物、汚水付着の壁面、床下など)
クレゾール石けん クレゾール石けん液30mLに水を加えて1Lとする。液が濁って沈殿物が生じた場合には上澄み液を使用する。 家屋のまわりは、じょうろや噴霧器などで濡れる程度に散布する。壁面は泥などの汚れを水で落としてから、消毒液をひたした布などでよく拭く。または噴霧器で濡れる程度に噴霧する。 長袖・長ズボンを着用し、メガネ・マスク・ゴム手袋などを使用して皮膚や目にかからないよう注意する。皮膚についた場合は大量の水と石けんでよく洗い流す。目に入った場合は水で15分以上洗い流し、医師の診察を受ける。
屋外
(同上)
オルソ剤 オルソ剤20mLに水を加えて1Lとする。 同上 同上
屋内
(汚水に浸かった壁面・床、家財道具)
逆性石けん 塩化ベンザルコニウムまたは塩化ベンゼトニウムとして0.1%の濃度になるよう希釈する(10%製品の場合、本剤10mLに水を加え1Lとする)。市販品は濃度がさまざまなので希釈倍率に注意。 泥などの汚れを洗い流すか雑巾で水拭きしてから、希釈液にひたした布などでよく拭く。または噴霧器で濡れる程度に噴霧し、その後は風通しをよくしてそのまま乾燥させる。 使用する直前に希釈し、濃度を守る。他の消毒薬や洗剤と混合しない。他の容器に移し替えて保管しない。浄化槽の微生物に影響を及ぼすため、浄化槽には散布しない。
手指
(後片付けなどで汚染された箇所や土に触れた手指)
逆性石けん 同上 石けんで汚れを洗った後、流水で石けんを落とし、洗面器などに入れた消毒液に手首まで浸して30秒以上もみ洗いする。乾いたタオルでよく拭き取る。石けんが残っていると殺菌力が低下するため、よく洗い流す。 同上
食器類 次亜塩素酸ナトリウム 濃度が0.02%になるように希釈する(10%製品の場合、本剤2mLに水を加えて1Lとする)。 食器を水洗いした後、消毒液に5分以上浸し、その上で自然乾燥させる。 金属腐食性があるため、対象物によっては変色・劣化に注意する。
井戸水 次亜塩素酸ナトリウム 残留塩素として1〜2ppmの濃度になるよう調製する(10%製品の場合は水1Lにつき1滴を加える)。 汚染された井戸水は水質検査で飲用可能と確認されるまで飲まない方が良いが、やむを得ず使用する場合は煮沸してから用いる。消毒薬を使用する場合は、汲み取った水に1〜2ppm濃度になるよう調製した消毒液を入れ、30分以上放置してから飲用する。 浄化槽には散布しない。他の消毒薬や洗剤と混合しない。

出典:(社)名古屋市薬剤師会「水害時の消毒薬の手引き(抜粋)」(厚生労働省「薬剤師のための災害対策マニュアル(改訂版)」資料12-1より)

家庭用塩素系漂白剤での希釈早見表

業務用の消毒薬が手元にない場合は、市販の家庭用塩素系漂白剤(塩素濃度約5%)でも代用できます。用途別の希釈倍率の目安は以下の通りです。

濃度消毒するもの希釈液の作り方(目安)
10倍(約5000ppm) 嘔吐物・便など 水道水500mLに薬液50mL(漂白剤キャップ約25mL×2杯)
50倍(約1000ppm) 便や嘔吐で汚れた衣類・リネン類、風呂場・洗い場 水道水2500mLに薬液50mL(漂白剤キャップ約25mL×2杯)。50倍液で洗い、30分放置してから水で流す。
250倍(約200ppm) トイレの取っ手・床・便座・ドアノブ・蛇口など 水道水2500mLに薬液10mL(漂白剤キャップ約25mLの1/2杯)
※次亜塩素酸ナトリウムは金属腐食性があるため、消毒後は水拭きすること。使用直前に希釈し、他の洗剤・消毒薬と混ぜないこと。

自分達もいざという時の備えを

水害はいつどこで起きてもおかしくありません。避難所での消毒対応にあたる薬剤師自身も、日頃から防災グッズや備蓄を見直しておくことが大切です。

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